教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

1.成績評価

 単位修得の認定は試験によるものとするが,科目によっては,平常の成績又は報告書等の結果により認定する。授業科目の履修成績は,成績評価基準に基づき厳密に評価する。

2.学位審査

平成29年度以前入学者が本研究科において修士の学位を取得するためには,原則として2年以上の在学と授業科目32単位以上を修得し,かつ,必要な研究指導を受けた上,修士論文の審査及び最終試験に合格することが必要である。

平成30年度以降入学者が本研究科において修士の学位を取得するためには,原則として2年以上の在学と授業科目32単位以上を修得し,かつ,必要な研究指導を受けた上,国立大学法人弘前大学の研究活動の不正行為への対応に関する規程(平成19年規程第14号)第5条第3項に規定する研究倫理教育の受講を証明する書類を提出し,修士論文の審査及び最終試験に合格することが必要である。

なお,社会人入学者の場合は,研究指導を受ける教員の承認のもとに,修士論文に代えて研究成果報告書を選択することもできる。

修士論文又は研究成果報告書の評価は,弘前大学大学院農学生命科学研究科〔修士課程〕学位論 文評価基準に基づき厳密に行う。

【生物学コース】

1.教育課程の概要

生物の基本的な生命活動にみられる普遍性と個体の形態や行動にみられる多様性は,DNAにコードされた遺伝情報と周囲の環境との相互作用を通じて形成される。生物学コースでは,発生,エネルギー代謝,適応,進化などの生物活動の基本的なプロセスの成立要因とそのメカニズムの解明や,個体と環境の相互作用を通じて生成される動的・複合的生物生態システムや生物多様性に関する教育研究を行う。さらに,これら学問研究を通じて,生物学分野の研究者,農業や食品関連のバイオテクノロジー技術者,生物生態系の保全に関わる専門技術者の育成を目指す。

2.到達目標

(1)知識・理解

ア 生物個体ならびに集団の多様な生命現象の解明に関わる研究・開発に必要な高度な知識およびそれに基づく論理的思考の修得と理解ができる。

イ 自然環境の保護・保全に関わる研究・開発に必要な高度な知識およびそれに基づく論理的思考の修得と理解ができる。

(2)当該分野固有の能力

ア 生物個体ならびに集団の多様な生命現象のメカニズムの理解に関わる研究・開発を,自ら企画,実施および結果を評価できる。

イ 自然環境の保護・保全に関わる研究・開発を,自ら企画,実施および結果を評価できる。

ウ 高度な科学英語を理解し,活用できる。

(3)汎用的能力

ア 研究・開発に関わる情報を収集することができる。

イ 研究・開発チームの構成員として,他の構成員と協調しながら,自立的に行動できる。

ウ 研究成果に関してチーム内での討論に積極的に参加できる。

エ 研究成果を学会で発表し,論文として公表できる。

オ 社会における課題解決に関する研究・開発を自ら立案,実施し,結果を発表できる。

3.教育課程の編成・実施等

学部における専門基礎科目をベースにした学習を踏まえ,より理論的な研鑽を促し,研究者及び専門的要素をもつ高度専門技術者の育成を目指すとともに,岩手大学大学院連合農学研究科博士課程への進学も視野に入れて教育を行う。

  • 学生の多様な志向に対応するために,各コースには「学術研究プログラム(研究者養成)」と「実践研究プログラム(技術者養成)」の2つの専門教育研究プログラムを配置する。
  • これに加え,生涯教育や教員の再教育の要求に応えるために,社会人入学者を対象に修士研究の単位を軽減した「社会人入学者対応型の実践研究プログラム」を配置する。
  • 時代の要請に応じて社会の求める人材育成を行うために,コース横断的科目である「クロス・コース科目」やコース間の隙間を埋める境界領域の「副コース科目」を開講することにより,学生自ら選択した「コース」を超えて学修できるよう,境界領域の学修推進を図っている。
  • 秋季入学者が履修する上で不利にならないよう,各コースにおける「専門科目」と「副コース科目」について春季と秋季に均衡に配当するとともに,「専攻共通科目」の全科目について秋季入学時から履修できる。
4.教育・学習方法

(1)授業科目の年次別配置を定め,修了までの履修期間の効果的な学習を促す。

(2)生命現象の解明や自然環境の保護・保全に関する高度な教育を行う。

(3)生命現象の解明や自然環境の保護・保全について,主体的に課題を立案し,その解決のために研究計画を企画,実施し,その結果を発表,評価することができる教育を行う。

5.学習成果の評価

(1)学習成果を厳格に評価するため,カリキュラム・ポリシーに沿って策定された到達目標の到達状況が確認できる明確な成績評価基準を策定し,策定した成績評価基準を用いて教育課程における学習到達度を客観的に評価する。

(2)農学生命科学分野における研究者としての独創的な理論展開や持続可能な地域づくりを提言できる能力を評価する。

(3)各科目の成績評価については,期末試験,レポ-ト,発表などで評価し,その評価方法については授業内容とともにシラバスに記載する。

(4)修士論文の評価は,主査1名,副査2名以上の計3名以上の専門関係教員による内容審査と,修士論文発表会によるコース教員全員による質疑試験によって厳密に評価する。

【分子生命科学コース】

1.教育課程の概要

数多くの生体分子の化学反応(酵素反応系)により,生命は恒常的・持続的に維持されている。それらの反応系を利用した科学技術の開発は,多方面にわたる次世代の産業の発展につながるものと期待されている。本コースでは,微生物からヒトにいたるまでのさまざまな生物にみられる特徴や機能,物質生産のしくみ,それらの基盤となる生体分子の反応機構等に関する専門的な知識と技術を身に付け,国際的な視野のもと社会で活躍できる研究者,高度専門技術者並びに大学院博士課程へ進学する人材を育成する。そのため細胞,遺伝子及び分子レベルでの生命機能の解明及び生物による物質生産制御に関する専門的な知識及び技術を教授し,自主的な研究を促すことによって,その深奥を極め,また高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い,文化の発展に寄与することを念頭に教育する。

2.到達目標

(1)知識・理解

 有機化学及び生化学に関する基礎的知識並びに生物の機能を分子レベルまで解明することのできる基礎的・専門的知識を修得する。

(2)当該分野固有の能力

 分子生物学,細胞生物学,天然物化学,酵素化学及び応用微生物学に関する基礎学力を身に付け,それらの分野に関わる研究開発において企画,実施及び評価能力を有する。

(3)汎用的能力

 新しい分野に果敢に挑戦し,成果を人類の福祉に役立てる課題探求能力と問題解決力を身に付け,活用することができる。

3.教育課程の編成・実施等

学部における専門基礎科目をベースにした学習を踏まえ,より理論的な研鑽を促し,研究者及び専門的要素をもつ高度専門技術者の育成を目指すとともに,岩手大学大学院連合農学研究科博士課程への進学も視野に入れて教育を行う。

  • 学生の多様な志向に対応するために,各コースには「学術研究プログラム(研究者養成)」と「実践研究プログラム(技術者養成)」の2つの専門教育研究プログラムを配置する。
  • これに加え,生涯教育や教員の再教育の要求に応えるために,社会人入学者を対象に修士研究の単位を軽減した「社会人入学者対応型の実践研究プログラム」を配置する。
  • 時代の要請に応じて社会の求める人材育成を行うために,コース横断的科目である「クロス・コース科目」やコース間の隙間を埋める境界領域の「副コース科目」を開講することにより,学生自ら選択した「コース」を超えて学修できるよう,境界領域の学修推進を図っている。
  • 秋季入学者が履修する上で不利にならないよう,各コースにおける「専門科目」と「副コース科目」について春季と秋季に均衡に配当するとともに,「専攻共通科目」の全科目について秋季入学時から履修できる。
4.教育・学習方法

(1)分子,遺伝子,細胞レベルでの生命機能の解明及び生物による物質生産制御に関する専門的な知識及び技術を教授し,自主的な研究を促すことによってその深奥を極め,高度な専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い,国際的な視野のもと,文化の発展に寄与し社会で活躍できる研究者,高度専門技術者並びに大学院博士課程へ進学する人材を育成するための教育を行う。

(2)有機化学,生化学,分子生物学,細胞生物学,天然物化学,酵素化学,応用微生物学等に関する専門的知識と技術をより深く体系的に習得し,自発的な課題探求能力と問題解決力を身に付け,活用することができるよう,それぞれの専門科目を配置するとともに,自由討論が実施できる小人数制のセミナー形式による授業を行う。これにより,無理なくかつ効果的に修了までの履修期間の学習を促す。

(3)修士論文研究においては具体的な研究課題に取組み,専門分野に関わる研究開発において企画,実施,評価する能力を身に付ける。修士論文発表会と口頭試問を行うことにより,専門知識や研究テーマの適切性を計る力,論述・表現力,独創性,データや資料の適切性を判断する力を養う。

5.学習成果の評価

(1)学習成果を厳格に評価するため,カリキュラム・ポリシーに沿って策定された到達目標の到達状況が確認できる明確な成績評価基準を策定し,策定した成績評価基準を用いて教育課程における学習到達度を客観的に評価する。

(2)農学生命科学分野における研究者としての独創的な理論展開や持続可能な地域づくりを提言できる能力を評価する。

(3)各科目の成績評価については,期末試験,レポ-ト,発表などで評価し,その評価方法については授業内容とともにシラバスに記載する。

(4)修士論文の評価は,主査1名,副査2名以上の計3名以上の専門関係教員による内容審査と,修士論文発表会によるコース教員全員による質疑試験によって厳密に評価する。

【食料資源学コース】

1.教育課程の概要

気候や人口増加が関係するさまざまな食料問題が地球規模で存在し,その解決が求められている。本コースでは,環境の調和を十分に考慮した上で,国内外にかかわらず持続的に充分な食料供給を実現するために必要な作物の新品種の育種技術や,作物の生産に影響する土壌や病害虫の管理技術等に関する専門的知識と技術を身に付け,国際的視野を備えて社会で活躍できる高度専門技術者や研究者,並びに大学院博士課程へ進学する人材を育成する。そのため,細胞や遺伝子レベルでの育種および生産環境に関する知識・技術を教授し,また自主的な研究を促すことにより高度の専門性が求められる職業に資する深い学識と能力を培うことを念頭に教育する。

2.到達目標

(1)知識・理解

食料資源の開発につながる,作物育種や,作物育成のための土壌環境や植物病害虫管理に関する研究・開発に必要な基礎的・専門的知識を修得する。

(2)当該分野固有の能力

作物育種学,作物遺伝子学,土壌学,菌学,植物病原微生物学,昆虫生理学等に関する基礎学力・知識・技術を身に付け,これらが関わる食料資源の研究開発において企画,遂行および評価できる能力を取得する。

(3)汎用的能力

研究・開発に必要な情報を収集することができ,関係者と協調し討論しながら研究を遂行することができ,その成果を的確に,かつ社会に対して分かりやすく発信し,あるいは役立てる力を身に付ける。

3.教育課程の編成・実施等

学部における専門基礎科目をベースにした学習を踏まえ,より理論的な研鑽を促し,研究者及び専門的要素をもつ高度専門技術者の育成を目指すとともに,岩手大学大学院連合農学研究科博士課程への進学も視野に入れて教育を行う。

  • 学生の多様な志向に対応するために,各コースには「学術研究プログラム(研究者養成)」と「実践研究プログラム(技術者養成)」の2つの専門教育研究プログラムを配置する。
  • これに加え,生涯教育や教員の再教育の要求に応えるために,社会人入学者を対象に修士研究の単位を軽減した「社会人入学者対応型の実践研究プログラム」を配置する。
  • 時代の要請に応じて社会の求める人材育成を行うために,コース横断的科目である「クロス・コース科目」やコース間の隙間を埋める境界領域の「副コース科目」を開講することにより,学生自ら選択した「コース」を超えて学修できるよう,境界領域の学修推進を図っている。
  • 秋季入学者が履修する上で不利にならないよう,各コースにおける「専門科目」と「副コース科目」について春季と秋季に均衡に配当するとともに,「専攻共通科目」の全科目について秋季入学時から履修できる。
4.教育・学習方法

(1)作物育種,土壌,植物病害虫に関する専門的知識を「より深く」体系的に習得できるよう,各分野における最新の知見,研究動向やトピック等を取り入れた専門科目と演習等を配置して,無理なくかつ効果的に学習できる教育を行う。

(2)農学生命科学特論や特別研究等をとおして,研究・開発を自ら企画し実践および評価できる能力と高い生命倫理,職業倫理および研究倫理を養う教育を行う。

(3)研究・開発に関する的確な情報収集能力と,関係者等と研究・開発の論理的な議論ができる力を習得するため,学術特別演習や実戦特別演習等の少人数のゼミ形式による教育を行う。

(4)学会等発表や実践研究推進セミナー等を通じて,自身の研究成果の発表や他の研究者と議論ができる能力,ならびに社会にわかりやすく発信できる能力を養う教育を行う。

5.学習成果の評価

(1)学習成果を厳格に評価するため,カリキュラム・ポリシーに沿って策定された到達目標の到達状況が確認できる明確な成績評価基準を策定し,策定した成績評価基準を用いて教育課程における学習到達度を客観的に評価する。

(2)農学生命科学分野における研究者としての独創的な理論展開や持続可能な地域づくりを提言できる能力を評価する。

(3)各科目の成績評価については,期末試験,レポ-ト,発表などで評価し,その評価方法については授業内容とともにシラバスに記載する。

(4)修士論文の評価は,主査1名,副査2名以上の計3名以上の専門関係教員による内容審査と,修士論文発表会によるコース教員全員による質疑試験によって厳密に評価する。

【国際園芸農学コース】

1.教育課程の概要

国際的な視点の元に持続可能で,かつ,多面的機能を維持した農業の確立並びに人間生活の実現を図るために,農業生産技術の開発,農業の活性化,食と環境の改善に貢献する人材の育成を目指している。

2.到達目標

(1)知識・理解

ア 各専門分野の研究・開発に必要な高度な知識の習得と理解ができる。

イ 農業生産における諸問題の所在と解決に関わる研究・開発に必要な高度な知識の習得と理解ができる。

ウ 文化・社会・自然における食と農の機能に関する研究に必要な高度の知識の習得と理解ができる。

(2)当該分野固有の能力

ア 各種農業生産物生産の技術的特性と現代的課題に関わる研究・開発を自ら企画・実施し,その結果を評価できる。

イ 農業生産の効率化に関わる研究・開発を自ら企画・実施し,その結果を評価できる。

ウ 農業生産技術の現場適用に関わる研究・開発を自ら企画・実施し,その結果を評価できる。

エ 国際園芸農学分野に関する実際的・応用的な素質・能力を培い,課題解決のための方策に関わる研究を自ら企画・実施し,その結果を評価できる。

(3)汎用的能力

ア 研究・開発に関する情報を収集できる。

イ 研究・開発において協調性とともに自立的な行動ができる。

ウ 研究成果についての討論などに積極的に参加できる。

エ 研究成果を学会発表や論文として公表できる。

3.教育課程の編成・実施等

学部における専門基礎科目をベースにした学習を踏まえ,より理論的な研鑽を促し,研究者及び専門的要素をもつ高度専門技術者の育成を目指すとともに,岩手大学大学院連合農学研究科博士課程への進学も視野に入れて教育を行う。

  • 学生の多様な志向に対応するために,各コースには「学術研究プログラム(研究者養成)」と「実践研究プログラム(技術者養成)」の2つの専門教育研究プログラムを配置する。
  • これに加え,生涯教育や教員の再教育の要求に応えるために,社会人入学者を対象に修士研究の単位を軽減した「社会人入学者対応型の実践研究プログラム」を配置する。
  • 時代の要請に応じて社会の求める人材育成を行うために,コース横断的科目である「クロス・コース科目」やコース間の隙間を埋める境界領域の「副コース科目」を開講することにより,学生自ら選択した「コース」を超えて学修できるよう,境界領域の学修推進を図っている。
  • 秋季入学者が履修する上で不利にならないよう,各コースにおける「専門科目」と「副コース科目」について春季と秋季に均衡に配当するとともに,「専攻共通科目」の全科目について秋季入学時から履修できる。
4.教育・学習方法

(1)農産物の生産に必要な知識・理解を深めるため,専門分野の高度な知識を取り入れた専門科目を開講する。

(2)各種農業生産物生産の技術的特性・現代的課題,農業生産効率化・農業をめぐる経営経済流通領域の課題を演習や視察をとおして学習する。

(3)学会発表や実践研究推進セミナー等を通じて,自身の研究成果の発表や他の研究者と議論ができる能力,ならびに社会にわかりやすく発信できる能力を養う教育を行う。

5.学習成果の評価

(1)学習成果を厳格に評価するため,カリキュラム・ポリシーに沿って策定された到達目標の到達状況が確認できる明確な成績評価基準を策定し,策定した成績評価基準を用いて教育課程における学習到達度を客観的に評価する。

(2)農学生命科学分野における研究者としての独創的な理論展開や持続可能な地域づくりを提言できる能力を評価する。

(3)各科目の成績評価については,期末試験,レポ-ト,発表などで評価し,その評価方法については授業内容とともにシラバスに記載する。

(4)修士論文の評価は,主査1名,副査2名以上の計3名以上の専門関係教員による内容審査と,修士論文発表会によるコース教員全員による質疑試験によって厳密に評価する。

【地域環境工学コース】

1.教育課程の概要

自然環境の保護・保全に配慮しつつ,生産基盤の整備・充実,及び地域住民の生活環境の整備と計画手法の開発などについて高度な専門知識と技術を持ち,自発的な問題解決能力を備えた人材の育成を図る。このため,各プログラムとも必修の研究方法論,プレゼンテーション演習を配置する。また,選択必修科目はプログラムごとに重点を置いた研究・演習科目やセミナー等のほか,本コースの開講科目として水・土・施設・環境に関する科目を配置している。

2.到達目標

(1)知識・理解

ア 農業土木・農山村環境に関する専門的知識の体系的な理解ができる。

イ 地域課題に関する総合的な理解ができる。

ウ 水・土・構造物・防災・環境についての専門知識が理解できる。

(2)当該分野固有の能力

ア 農山村や地域が抱える課題を科学的に分析する知識を有する。

イ 農業土木・地域・環境の理解を基礎とした課題解決のための計画立案に関する知識を有する。

ウ 計画実現のための技術・方策に関する専門的・総合的知識を有する。

(3)汎用的能力

ア 地域的課題を地域レベル・グローバルなレベルの両面で捉る能力を身に付ける。

イ 実践的課題への取り組みをとおして理論を学ぶ姿勢を身に付ける。

ウ 自己管理力,相手への配慮とコミュニケーション,社会的責任を理解し行動できる能力を身に付ける。

3.教育課程の編成・実施等

学部における専門基礎科目をベースにした学習を踏まえ,より理論的な研鑽を促し,研究者及び専門的要素をもつ高度専門技術者の育成を目指すとともに,岩手大学大学院連合農学研究科博士課程への進学も視野に入れて教育を行う。

  • 学生の多様な志向に対応するために,各コースには「学術研究プログラム(研究者養成)」と「実践研究プログラム(技術者養成)」の2つの専門教育研究プログラムを配置する。
  • これに加え,生涯教育や教員の再教育の要求に応えるために,社会人入学者を対象に修士研究の単位を軽減した「社会人入学者対応型の実践研究プログラム」を配置する。
  • 時代の要請に応じて社会の求める人材育成を行うために,コース横断的科目である「クロス・コース科目」やコース間の隙間を埋める境界領域の「副コース科目」を開講することにより,学生自ら選択した「コース」を超えて学修できるよう,境界領域の学修推進を図っている。
  • 秋季入学者が履修する上で不利にならないよう,各コースにおける「専門科目」と「副コース科目」について春季と秋季に均衡に配当するとともに,「専攻共通科目」の全科目について秋季入学時から履修できる。
4.教育・学習方法

(1)農業土木・農山村環境に関する専門的知識を「より深く」体系的に習得できるよう,水・土・構造物・防災・環境に関する専門科目やプレゼンテーション演習等を配置して,無理なくかつ効果的に修了までの履修期間の学習を促す。

(2)高度専門職業人として持続可能な地域づくりを提言できる能力を習得できるよう,「より実践」的な専門性の活用の仕方を具体的に学ぶための専門分野に関わる現地見学等を体験することによって得られる総合的な視点を涵養する教育を行う。

(3)高度な専門知識と技術を持つとともに自発的な問題解決能力を備えた人材の育成を図るため,自由討論が実施できる小人数制のゼミ(対話)形式よる授業を行う。

5.学習成果の評価

(1)学習成果を厳格に評価するため,カリキュラム・ポリシーに沿って策定された到達目標の到達状況が確認できる明確な成績評価基準を策定し,策定した成績評価基準を用いて教育課程における学習到達度を客観的に評価する。

(2)農学生命科学分野における研究者としての独創的な理論展開や持続可能な地域づくりを提言できる能力を評価する。

(3)各科目の成績評価については,期末試験,レポ-ト,発表などで評価し,その評価方法については授業内容とともにシラバスに記載する。

(4)修士論文の評価は,主査1名,副査2名以上の計3名以上の専門関係教員による内容審査と,修士論文発表会によるコース教員全員による質疑試験によって厳密に評価する。

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

農学生命科学研究科(修士課程)では,時代の要請を先取りした先端的研究に挑戦する研究者の養成,並びに広範囲な技術を理解し,地域社会の発展に貢献する熟練した高度専門技術者,国際的視野をもつ優れた技術者の養成を目指す。

これらの観点から,学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を定めて,以下に該当する者に対して,修士(農学生命科学)の学位を授与する。

【生物学コース】

  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた研究手法を身に付けるとともに,研究者として「より深く」独創的な論理展開ができる能力を修得していること。
  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた課題解決能力を身に付けるとともに,高度専門職業人として持続可能な地域づくりを提言できる「より実践」的な能力を修得していること。
  • (ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。

(ⅰ)知識・理解

  • 生物個体ならびに集団の多様な生命現象の解明に関わる研究・開発に必要な高度な知識およびそれに基づく論理的思考
  • 自然環境の保護・保全に関わる研究・開発に必要な高度な知識およびそれに基づく論理的思考

(ⅱ)当該分野固有の能力

  • 生物個体ならびに集団の多様な生命現象のメカニズムの理解に関わる研究・開発を,自ら企画,実施および結果を評価できる能力
  • 自然環境の保護・保全に関わる研究・開発を,自ら企画,実施および結果を評価できる能力
  • 高度な科学英語を理解し,活用できる能力

(ⅲ)汎用的能力

  • 研究・開発に関わる情報を収集する能力
  • 研究・開発チームの構成員として,他の構成員と協調しながら,自立的に行動できる能力
  • 研究成果に関してチーム内での討論に積極的に参加する意欲
  • 研究成果を学会で発表し,論文として公表できる能力
  • 社会における課題解決に関する研究・開発を自ら立案,実施し,結果を発表できる能力

【分子生命科学コース】

  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた研究手法を身に付けるとともに,研究者として「より深く」独創的な論理展開ができる能力を修得していること。
  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた課題解決能力を身に付けるとともに,高度専門職業人として持続可能な地域づくりを提言できる「より実践」的な能力を修得していること。
  • (ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。

(ⅰ)知識・理解

  • 有機化学及び生化学に関する基礎的知識並びに生物の機能を分子レベルまで解明することのできる基礎的・専門的知識

(ⅱ)当該分野固有の能力

  • 分子生物学,細胞生物学,天然物化学,酵素化学及び応用微生物学に関する基礎学力,およびそれらの分野に関わる研究開発において企画,実施及び評価する能力

(ⅲ)汎用的能力

  • 新しい分野に果敢に挑戦し,成果を人類の福祉に役立てる課題探求力と問題解決力,およびそれらを活用する能力

【食料資源学コース】

  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた研究手法を身に付けるとともに,研究者として「より深く」独創的な論理展開ができる能力を修得していること。
  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた課題解決能力を身に付けるとともに,高度専門職業人として持続可能な地域づくりを提言できる「より実践」的な能力を修得していること。
  • (ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。

(ⅰ)知識・理解

  • 作物育種に関わる研究・開発に必要な高度な知識
  • 作物の健全育成のための土壌環境および植物病害虫管理に関わる研究・開発に必要な高度な知識

(ⅱ)当該分野固有の能力

  • 作物育種に関わる研究・開発を自ら企画,実施および結果を評価できる能力
  • 作物の健全育成のための土壌環境および植物病害虫管理に関わる研究・開発を自ら企画,実施および結果を評価できる能力

(ⅲ)汎用的能力 ・研究

  • 研究・開発に関わる情報を収集することができる能力
  • 研究・開発の関係者と協調しながら,自ら研究を推進できる能力
  • 研究成果を積極的に討論し,学会や論文で発表するとともに,社会にわかりやすく発信できるあるいは役立てる能力

【国際園芸農学コース】

  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた研究手法を身に付けるとともに,研究者として「より深く」独創的な論理展開ができる能力を修得していること。
  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた課題解決能力を身に付けるとともに,高度専門職業人として持続可能な地域づくりを提言できる「より実践」的な能力を修得していること。
  • (ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。

(ⅰ)知識・理解

  • 各専門分野の研究・開発に必要な高度な知識
  • 農業生産における諸問題の所在と解決に関わる研究・開発に必要な高度な知識
  • 文化・社会・自然における食と農の機能に関する研究に必要な高度な知識

(ⅱ)当該分野固有の能力

  • 各種農業生産物生産の技術的特性と現代的課題に関わる研究・開発を自ら企画・実施および評価できる能力(ア)
  • 農業生産の効率化に関わる研究・開発を自ら企画・実施および評価できる能力(イ)
  • 業生産技術の現場適用に関わる研究・開発を自ら企画・実施および評価できる能力(ウ)
  • ・農業をめぐる経営経済流通に関わる研究を自ら企画・実施及び評価できる能力(エ)
  • 食と農をめぐる課題を自然科学と社会科学の視点から総合的に把握することに関わる研究・開発を自ら企画・実施および評価できる能力(オ)
  • ア~オまでの理解を基に,園芸農学分野に関する実際的・応用的な素質・能力を培い,課題解決のための方策に関わる研究・開発を自ら企画・実施および評価できる能力

(ⅲ)汎用的能力

  • 研究・開発に関する情報を収集できる能力
  • 研究・開発において協調性とともに自立的な行動ができる能力
  • 研究成果についての討論などに積極的に参加する意欲
  • 研究成果を学会発表や論文として公表できる能力

【地域環境工学コース】

  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた研究手法を身に付けるとともに,研究者として「より深く」独創的な論理展開ができる能力を修得していること。
  • 専門科目で学んだ知識や技術を踏まえた課題解決能力を身に付けるとともに,高度専門職業人として持続可能な地域づくりを提言できる「より実践」的な能力を修得していること。
  • (ⅰ)知識・理解,(ⅱ)当該分野固有の能力,(ⅲ)汎用的能力別に以下の内容を修得していること。

(ⅰ)知識・理解

  • 農業土木・農山村環境に関する専門的知識を体系的に理解する能力
  • 地域課題を総合的に理解する能力
  • 水・土・構造物・防災・環境についての専門知識

(ⅱ)当該分野固有の能力

  • 農山村や地域が抱える課題を科学的に分析する知識
  • 農業土木・地域・環境の理解を基礎とした課題解決のための計画立案に関する知識・計画実現のための技術・方策に関する専門的・総合的知識

(ⅲ)汎用的能力

  • 地域的課題を地域レベル・グローバルなレベルの両面で捉る能力
  • 実践的課題への取り組みをとおして理論を学ぶ姿勢
  • 自己管理力,相手への配慮とコミュニケーション,社会的責任を理解し行動できる能力