2020.09.07

This is a web site introducing Ryuji Ishikawa. Please visit English version (Click here).Link:研究室カレンダー,旅行中の連絡先は ishikawa (at) hirosaki-u.ac.jp よく使うリンク:RAPhttps://rapdb.dna.affrc.go.jp),Shigen稲刈り生育予測システム

作物育種学Iの成績について
 
作物育種学I 平均75  秀 10, 優 32, 可 22 となりました
ノート作成に対して,初回からの復習をしている.教科書だけでなく,講義において補足している事象を丁寧に記載していることが目安となっています.
 

最近の研究

低リン酸で生育良好な品種の耐性機構の解析

IR64背景に有するAS996は野生イネ由来の低リン酸耐性を持っています.

左は低リン酸圃場で育成したAS996,右はIR64です.十分なリン酸吸収はICP-AESで測定することで確認できます.この生育能力はねんせいのある子実を効率的に作ることで差として現れてきます.

 

アジ化ナトリウム(NaN3)による化学的変異原処理による変異体

AS996の変異体集積のために試したNaN3による変異では,このようなOsMADs6に関連する変異体も得られます.目的に遺伝子破壊をすることで候補遺伝子の機能検証に利用可能です.
 

品種改良

酒米,豊盃に胴割れ耐性を付与

耐性品種からの交雑育種により改良しています.

有望系統は大きな種子,効率的な心白(ほぼ100%),そして胴割れ耐性をもちながら高い収量性特性を持っています.今後の純系選抜により品種化をすすめています

 

良食味品種の改良,株ライケットとの共同研究

暑い夏です.胴割れが生じる可能性もあります.そのための耐性品種開発を行っています.
青森のイネは近年の気候温暖化と産技センターによる品種開発で良質な品種が生まれています.ただ,今後のより一層の温暖化では胴割れが高い頻度で生じる可能性もあります.そのための改良と地域品種の開発を行っています.

野生イネ由来,大粒遺伝子の導入

オーストラリア特殊な系統を利用した品種育成を行っています

 

大粒遺伝子を持つ野生イネ(左)からT65(通常の日本型品種,台中65号)に戻し交雑して導入を行っています.120%程度粒長が増加した系統(中央)が得られました.今後,良食味系統の背景下に導入する予定です.

 

酒米に導入(中央)

豊盃(左)ならびに改良中の品種(右)に対して,野生イネ由来の遺伝子を交雑により導入した系統は大型になっています.これはヘテロ型であり,大粒対立遺伝子や共優性ですので,今後,さらに大型の粒形が得られる可能性があります.酒米は精米して中央部分を利用するため,大型で丸い粒形は今後の利用価値がありそうです.
 

Links;

弘前大学Hirosaki University, 農学生命科学部Faculty of Agriculture and Life Science科研費,
NCBIPubMedGenome DB:OryzabaseRAP databaseMSU genome, QTLデータベース 
QTARO遺伝研DDBJ,  ゲノム情報emsembl plantsGramene (SSR-tool, Exploere genome including Expression atlas), Plant Transcription factor database, 進化系統PhytozomeTE: SINE, Repeat masker. giri Repbase
葉緑体・ミトコンドリアゲノム情報Organelle, Motif search, イネ形態分類Rice anatomy,
Software: Primer 3,  シークエンス編集APE,  SNPDnaSP,DNA進化系統解析MEGA, 集団構造解析 Structure, 集団遺伝学解析ツールGeneAlex, 遺伝子型による系統樹PopulationsSNP search: 日本在来種間のSNP(qtaro by NARO)、Rice 50 genome (Tm,Tr,aroma,IndicaなどIR36含む.INDEL-search可能),IRRIでのSNP-searchゲノム内,組織やストレス特異的転写情報,圃場条件での発現量TENOR(Gbrowse for transcript, click the gene you want), RiceXPRO (data setExProFlip(Reproductive organ w/heatmap, Nutrient ),SLK institute(Indica transcript at various organs)

熊本の愛林館殿共同研究

香り米のもち米の育種的改良をすすめまています

倒れないもち香り米を選抜することが目的です

 

カジノキの多様性も調査します

和紙の材料であるカジノキは熊本でも採取していたとのこと.これらの在来種の遺伝的多様性を調査することで,古紙の起源を調査することや,日本におけるカジノキの成立を知ることが目的です.
 

オーストラリアのためのイネ育種

現地では現在の水資源の枯渇(日経新聞: 2019年豪で干ばつ拡大、約 50年ぶり少雨 穀物不作で輸出減  2019/10/8 19:00)により,水資源の豊富な北部に水稲耕作を移動するプロジェクトも進んでいる (CARCNA, https://www.crcna.com.au).オーストラリア Abott政権も振興策に $5 billionの初期資金導入が決定ずみである.そのため,オーストラリア北部の野生イネを利用したイネ育種を本格的に進めることにしました.しかし,北部は酸性土壌によるアルミニウムや土着の糸状菌など栽培イネには過酷な状況です.一方,オーストラリアの野生種( AAゲノム)の O. meridionalisならびに Jpn2(Taxon2)など新種候補を含む野生種からの有用遺伝子単離も進めています.今後,日本 オーストラリアでの共同育種計画も進みつつあります(鹿児島大学,弘前大学, UQ-QAFFI).

 

ブリスベンにあるSt.Luciaキャンパス内にあるクイーンズランド大学QAFFIとの共同研究になります.

リスベンの市内は水上交通網も発達していて移動しやすく,大学に通う学生も利用しています.

作物育種研究室の研究課題

DNA型トランスポゾンにより誘発された変異体候補遺伝子を次世代シークエンスデータをもとに特定する
ベトナム野生イネ由来の酸性土壌耐性遺伝子の生理的特性解析と遺伝子単離
胴割れ耐性の良食味イネ品種の作出と遺伝機構の解析(ライケットとの共同研究)
オーストラリア野生イネ由来の大粒遺伝子の解析と育種的利用(UQとの共同研究)
胴割れ耐性の酒米品種作出と酒米関連遺伝機構の解析(三浦酒造との共同研究)
台湾で絶滅した野生イネの遺伝的多様性解析
栽培ヒシの多元的栽培化機構の解析
日本でのカジノキの成立過程の解明
和紙の材料であるコウゾの在来種における遺伝的多様性特定と古文書起源解明への利用
古種子と赤米の遺伝的多様性解析
沖縄県大宜味村奥地区のシークワサーの遺伝的多様性評価と良食味系統の普及事業
熊本県水俣市久木野地区のもち万石の純系維持に関する研究(久木野ふるさとセンター愛林館との共同研究)

エチオピアの野生イネ

エチオピアイネ研究研修センター

このセント-は新たな穀物資源としてのイネ品種開発のために育種研究が行われています.

JICAスタッフも入り,栽培指導から育種についての調査や研究協力が行われています.

圃場にはアフリカの野生イネもみられます

Oryza longistaminataは乾燥に強い多年生です.1月は乾期でしたが,たくましくいきていました.
 

このような野生イネも栽培種として導入されたアジアイネであるOryza sativaとの交雑で現地適応する栽培品種改良に利用できることでしょう.

武漢植物園の水生植物展示

武漢植物園のLi先生に菱など水生植物の研究情報について意見交換してきました

素晴らしい水生植物の展示システムを持っています

植物園脇の水源を利用した展示システムとバックヤードは研究用水槽が並んでいます

アットホームな研究室で標本のバインダー横でネズミ捕りに協力する猫たち

大学院生とともに研究院が水生植物の生態や遺伝解析を行っています.いつでもきてヒシの共同研究ができるとのことでした.楽しみです.

台湾におけるカジノキの研究(中央研究院)/台中の中興大学

 

中央研究院生物多樣性研究中心における鍾國芳先生にはカジノキについてのPNASのデータについて議論ができて,今後の和紙の木における遺伝的研究を進めるための情報をいただきました.

中興大学は岡彦一先生が旧台湾帝国大学のときに教えていた大学です.国立遺伝学研究所を退官してからも客員教授として写真にみられる郭先生や王先生などと2018年にお話しをすることができました.その際に企画した岡先生記念講演会については翌年,2019年の中興大学100周年記念において無事開催,終了しました.

野生イネにみられる大粒遺伝子

クイーンズランド大学との共同研究もいよいよ大詰め

 
オーストラリア大陸において分化した野生イネとして,Oryza meridionalisが知られています.また,アジアからのO. rufipogonも進出しています.ところが,我々の現地調査により,大粒を示す野生イネ,Taxa B (Jpn2)(Sotwa et al. 2013,Brozynska et al. 2014,2017)が見つかりました.現在,この遺伝子を交雑によりT65に導入したT65Lを育成して,原因遺伝子の同定とともに品種改良をすすめています.いずれオーストラリアでの栽培において,現地や野生イネを利用した栽培品種として利用されることになっています.
 
 

 
写真:左からアジアの野生イネルフィポゴン,オーストラリアの野生イネ;Jpn1, Jpn2, メリディオナリス)

沖縄の有用カンキツの研究(詳細はこちら

 
新たに論文採択されました。Dinh Thi Lam and Ryuji Ishikawa (2018)Molecular discrimination of landraces of Citrus species in the Okinawa,Japan. Genet. Resour. Crop Ev. (In print).

  • 沖縄のカンキツの代表格,シークワサーにも多様な変異があります.地元の文化の中で残されてきた大切な遺伝資源です.

Water chestnut research(詳細はこちら

 

福岡県大木町での栽培

佐賀県神埼市での栽培


 
 ヒシの栽培化の研究:新学術(総合稲作文明学の新構築:金沢大学中村慎一代表)での分担課題にて,ヒシの栽培化検証をすすめています.ゲノム解析から生態調査を行っています.