DNA考古学による三内丸山縄文農耕の検証

 更新2001.10.05


Link:(食べられる植物9月の三内丸山遺跡プロジェクト収穫野生ツルマメDNA考古学

目的:同遺跡における種の同定を行って栽培種が含まれていることを明らかにすることで縄文農耕の検証を行う.
内容:同遺跡では,炭化した豆類,ならびに麦類と推定される炭化種子が出土している.これらの種の同定をDNAレベルで明らかにするために現存の穀物種子ならびに炭化種子を比較する.
1) 三内丸山に現存するツルマメ,ササ,その他の植物種を収集してDNAならびに種の特定をする.
2) 大麦(野生種も含む),カラスムギ,野生・栽培コムギのサンプル種子のDNAを抽出する.
3) これらのDNAサンプルから千葉大学の中村助教授が開発したPS-IDを利用して判別可能である種を同定する.さらに,各種植物種のマイクロサテライト(説明は基礎遺伝学のPCRの利用参照)で種の同定を試みる.資料は北海道大学,島本教授・坂本氏提供(こちら).

4)出土炭化種子のDNAを採取し,種の同定を行う.

上記の写真は,破片だけなので形態からは種を推定できないものです.けっこうあるものです.もっとも形態が完全に残っている方が不思議な方です.特に,もし栽培されていたとしたら食べられていたわけですから野生の未食のものより圧倒的に数が少ないのも頷けます.また,サンプルが出土した場所を住居あとに特定していることもこれらの種子の利用のあり方を強く推定するのに役立つでしょう.今後データをとりながら公表していきます.

これはイネの場合のPS-ID塩基配列の一部を示したものです.この配列を利用することで,イネ科植物のみならず,地球上の陸上植物の色素体DNAのタイプを決定することができます.そこで形態的に不完全で種が同定できなくてもDNAで識別することが可能となります.

では,炭化種子の特徴をみてみましょう