パンダの糞から優れもの細菌 生ゴミ分解に効果


上野動物園のパンダの糞(ふん)から、生ゴミを効率よく処理できる細菌が見つかった。北里大学の田口文章名誉教授(微生物学)らの研究によるもので、小麦の製粉時に出る皮のくず(ふすま)や、おからなど、これまでの生ゴミ処理機では分解しにくかった食品廃棄物も、その95%以上を分解してしまう優れものだという。

 田口名誉教授らはササを主食とするパンダの腸には植物を効率よく分解する微生物がいるのではないかと考えた。そこで、数年前に上野動物園からバケツ1杯分のパンダの糞を譲り受け、分離した約270種類の微生物を油分、たんぱく質、糖分の分解能力で40種程度に絞り込んだ。さらに、反応の速度が大きい高温で生存できる菌5種を選んだ。

 これらの菌は納豆菌に近い種類のもので、70度以上の温度でも増殖した。市販の生ゴミ処理機に入れて増殖させ、17週間かけ計70〜100キログラムの野菜くずなど生ゴミを投入したところ、分解後のカスは3キログラムほどしか残らなかった。生ゴミの95〜97%は水と二酸化炭素に分解されており、市販処理機の菌の同80%台を上回った。

 さらに、市販の処理機では分解されにくい、ふすまやおからを混ぜた生ゴミを投入した。菌によって、野菜ごみなどと同じように95%以上が分解されていた。

 ふすまは国内で年間200万トン、おからは同70万トン程度発生するが、食用や飼料用の量は限られ、処理方法が課題になっていた。パンダの菌が有力な処理方法になるかもしれない。


《朝日新聞社asahi.com2003年4月20日より引用》