BSE安全基準の大幅緩和案、国際機関が提示


  2005年03月26日02時39分

 家畜の安全基準を定める国際機関OIE(国際獣疫事務局)が、BSE(牛海綿状脳症)の安全基準を大幅に緩和する新たな基準案を策定し、日本など加盟国に提示した。骨なし牛肉の輸入を無条件で認めることなどが柱で、新基準が正式に採用されれば日本に牛肉輸入の再開を求めている米国には追い風となる。

 日米は、日本がBSEの全頭検査を義務づけている現行の国内基準を見直すことを前提に、BSEの原因物質が蓄積しにくい生後20カ月齢以下の若い牛に限って輸入再開することで合意している。

 しかし、OIEの新基準が採用されれば、米国は月齢にこだわらずすべての牛肉の輸入再開を求めてくる可能性が高い。政府には「先週末に来日した米国のライス国務長官が『国際基準での輸入問題の解決』の重要性を繰り返し強調したのは、OIEの新基準案が念頭にあったのではないか」(農水省幹部)という見方も出ている。

 OIEには日本など167カ国・地域が加盟し、毎年5月にパリで開く総会で新たな安全基準を決定する。OIEの基準は、すべての加盟国が守ることができる「最低限」の水準で、実際の運用は各国が独自に厳しい基準を設定するのが一般的。日本が義務づけているBSEの全頭検査も、国別の独自基準だ。

 しかし、国と国の間で生じた貿易問題を処理する世界貿易機関(WTO)の判断は、OIEルールが基準。米国など輸出国が「日本は過剰な安全基準を設定して牛肉輸入を制限している」とWTOに提訴した場合、OIEの新基準が採択されていれば、日本は不利な状況に追い込まれる。

 島村農水相は25日に閣議後の記者会見で、OIEが提示した新基準案について「ここまで踏み込んだ意見が突然出されたことには疑問がある」と述べ、政府として反対する方針を表明した。


《朝日新聞社asahi.com 2005年3月26日より引用》