3.家畜と家畜の品種


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3-1.家畜

家畜 livestock, farm animal, domestic animal とは人間の生活に役だてるために,野生動物から遺伝的に改良した動物である。

家畜は利用の目的によって

に大別することができるが,狭義の家畜としては農用動物のみをさすこともある。

農用動物は乳・肉・卵・毛・皮革・毛皮・羽毛などの畜産物を生産する用畜と,労働力を利用される役畜に分けられる。

現在,世界で家畜として取り扱われているおもな動物は次のとおりである。

しかし普通に家畜というときは,魚類,昆虫類に属するものは除いて,哺乳類,鳥類に属するものだけをさす場合が多い。また,鳥類に属するものを家禽(かきん)として,これに対して哺乳類のものだけを狭義の家畜と呼ぶこともある。

野生動物の家畜化以来,人為淘汰による育種は徐々に行われてきたが,今日世界中で利用されている,能力の進んだ改良種は近代に作出されたもので,そのほとんどが18−19世紀の産物である。

とくに,イギリスにおける産業革命による人口の都市部への集中に対処して,畜産物生産の増大と植民地への畜種の供給,貿易品としての家畜,畜産物の量および質の向上の必要性,さらにはその国民性ともいうべき粘り強さと,家畜に対する愛着が家畜育種の面に顕著に現われ,18世紀の後半から目覚ましい成功を収めた。

「家畜改良の父」ともいうべきは,イギリスのロバート・ベイクウェル Robert Bakewell (1725-1790) である。

3-2.家畜化

家畜化 domestication とはヒトが動物の生殖を管理し,管理を強化していく過程をいう。

3-2-1.野生動物の家畜化

哺乳類は5,000種,鳥類は8,800種余りもあるといわれているが,人類が家畜化に成功したのは限られた数の種である。野生の動物を飼い慣らすことができても,それだけでは家畜とはいえないのである。

人類が家畜化に成功したのは今から約1万年前であったとされている。

  1. 最初に家畜化されたのはイヌで,狩猟民の手でオオカミから馴化(じゅんか)された。

  2. 次いでヤギヒツジが野生ヤギ(ベゾアール,マーコール)や野生ヒツジ(ムフロン,アルガリ,ウリアル)から馴化された。
    馴化したのは狩猟民とする説と農耕民とする説がある。

  3. 次にウシオーロックスから,そしてブタイノシシから農耕民の手によって家畜化された。

  4. ウマとニワトリの家畜化はずっと新しく今から5000年ほど前と考えられる。
    ウマの祖先種はモウコノウマで,ニワトリの祖先種はセキショクヤケイである。
牛の用途による体型の特殊化 家畜化の動機としては宗教的な動機を重視する説もあるが,やはり食糧資源の確保という経済的な目的が大きかったと見るべきであろう。

ほとんどすべての家畜が肉用のために飼育され,家畜化された後に乳用や役用などの利用が始まったものと考えられる。

3-2-2.家畜化による変化

家畜はその利用目的に向かって,長い年月改良が重ねられた結果,同一種の中に用途により,また飼養される土地によって,異なった特徴をもつさまざまな品種が成立している。

例えば,同じウシでも乳用種のホルスタイン種と肉用種のアバディーン・アンガス種では体型がまったく異なる。

また,同じイギリス産の乳用牛でも

このような改良された品種の生産能力をさらに高めるためには,遺伝的に優れた資質をもつ個体を選抜し,それを種畜として繁殖に供用することが必要である。

そのため,生産能力を調べる能力検定や体型の良否を判定する外貌審査,個体の血縁関係を明確に記録する血統登録などの事業がそれぞれの家畜品種ごとに行われている。

この育種の成果は目覚ましいものがあり,野生の祖先種とは比較にならない高能力の個体が作られている。

家畜化による変化のまとめ
  • 品種の分化と多様化
  • 体格,体型および毛色  
    • 体の大きさと体型の変化   
    • 頭骨の短縮   
    • 毛色の変化  
  • 繁殖性の変化
  • 強健性の変化
例えば, ものさえある。

3-3.家畜の品種

品種とは,優秀性,均一性,永続性が遺伝的に保たれ,固有の特性によって他と区別されるような一群の農作物や家畜をいう。

英語では作物の場合 cultivar または variety といい,家畜の場合は race または breed という。

以下に主な家畜の代表的な品種を示す。

  1. 山羊
  2. その他の家禽

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April 10, 2019