動物組織


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1 個の受精卵が新生児に発生するには,平均 41 回の 有糸分裂 mitosis ( 241 = 2.2 x 1012 ) が起こる。この間,有糸分裂によって作られた細胞はいろいろな経路に分化 differentiation する。あるものは血液細胞に,またあるものは筋細胞に,などのようにである。

脊椎動物では,分化して,明らかに形態が区別できる細胞は 100 種類以上にも上る。それらの有機的な細胞集団を 組織 tissue といい,組織が一定の秩序をもって結合して 器官 organ を形成する。いろいろな器官が集まって,統御された種々の 機能系 system,たとえば消化器系や排出系などが形成される。


分化した細胞型の実際の数は間違いなく100 種をはるかに超える。
  • たとえば,すべてのリンパ球は似たもの同士であるが,実際は多種多様な機能を持つ細胞集団である。たとえば,いろいろな B 細胞や T 細胞など。
  • 中枢神経系のニューロンは 1,000 を超える機能をもつ細胞型があると考えられるが,それぞれ特異的な分化の経路を経た結果である。

下の図は,動物細胞の主要な型を示したものである。図の左側のリンクは,それぞれの説明が読めるようになっている。

上皮組織
筋組織
結合組織
神経組織
血液とリンパ

1. 上皮組織 epithelial

上皮組織はシート状に 1 - 数層の細胞ですきまなく覆っている細胞からなる。体表面や管腔や体腔などの表面を形成する。血管やリンパ管の内腔も上皮組織が表面を覆っており,内皮 endothelia と呼ばれている。

上皮細胞の 遊離面 は "外環境" ,すなわち,器官の内腔や外界に曝されている。

上皮細胞の 基底外側 は内環境に接している。 上皮の下には細胞外基質の層があり,その境界に基底膜( ただし,生物学的にいう膜構造を示すのではなく,基底層 )がある。

上皮細胞の結合様式の詳細についてはこちら

上皮組織は,体表面,体腔,管腔などと細胞集団との境界に位置するという特徴から,以下の機能がある。

筋細胞

2. 筋組織 muscular tissue

脊椎動物には 3 種類の筋組織がある:

3. 結合組織 connective tissue

骨格筋と腱 結合組織の細胞は多量の細胞外基質に組み込まれている。細胞外基質は細胞によって分泌される。結合組織はタンパク質と多糖類が結合した物質( プロテオグリカン proteoglycan )に埋まり込んだタンパク質繊維から成る。

骨格組織

脊椎動物の骨格の構成要素,およびその組織。体の軟部の保護の役目ももつ。

骨格への結合

骨格組織との結合の役目を果たしている。 関節の構造

繊維性結合組織

繊維性結合組織は体のあらゆる部分の間を埋め,結合作用の役目を果たす。各器官の間,各組織の間,たとえば上皮組織と筋組織の間などの間を埋める。,細胞間質が豊富で,コラーゲンエラスチン やいろいろなタンパク質が認められる。

フェシア fascia は筋細胞に結合する繊維性結合組織であり,皮膚と皮下組織を結合している。

脂肪組織 adipose tissue は 脂肪細胞 adipocytes が集まり,脂肪細胞間には細網繊維が発達する繊維性結合組織である。脂肪細胞は レプチン leptin と呼ばれるホルモンを分泌する。 繊維芽細胞 fibroblasts は繊維成分の合成にあずかり,細胞外基質を分泌する。

4. 神経組織 nerve tissue

神経組織は ニューロン neuron と呼ばれる神経細胞から成る。ニューロンはその細胞膜の性質の変化によってスパイク( 活動電位 )を伝導し,さらに別のニューロンに伝達する。伝導されていくスパイクのことを 神経インパルス nerve impulse という。ニューロンには 3 つの部分が区別される。

軸索の末端( 軸索終末 axon terminal )では,次のニューロンに興奮の伝達が行われる。

ニューロンの詳細についてはこちら

軸索の先端は以下の部分に会合する。

5. 血液およびリンパ組織

骨髄がすべての血球の生産の場である。 血球は以下のように区別される。
血球の機能についてはこちら

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April 1, 2010