教員紹介

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栗田 大輔 くりた だいすけ

  • 英語表記 Daisuke KURITA
  • 職名 助教
  • 所属 弘前大学 農学生命科学部 分子生命科学科
  • 専門分野 生化学
  • email dkurita [at] hirosaki-u.ac.jp
  • 電話 3592
  • ホームページ http://hirosaki-rna.org/kurita/

※メールアドレスは [at] を @ に変えてください。

メッセージ

「スピード」と「正確性」、あるいは「量」と「質」
 両者には負の相関関係(トレードオフ)があって、同時に満たすことは困難です。この葛藤は、日常生活だけに限った話ではなく、生命を分子レベルで見た時にも見られます。DNAやRNA,タンパク質といった生体高分子を「素早く」作ろうと思えば、どうしても「間違い」が増えてしまいます。一方、正確に作ろうとすればスピードを犠牲にするだけでなく、時には一見無駄とも思えるエネルギーを消費しなくてはいけません。生命は進化という長いサバイバルゲームの中で生き残ってきたシステムを持っています。熾烈な競争の中で生き残ってきたシステムはとても巧妙にできています。タンパク合成系を見てみると、正確にタンパク質を作るための仕掛けが何重にも用意されています。それでも失敗してしまったときのために、対処する仕組みも存在します。そうかと思えば、意図的に間違えることで機能するタンパク質を作る例も分かってきました。矛盾する2つの性質を使い分けている生命の仕組みの解明に挑戦したい、研究のワクワク感に浸りたい方の参入を歓迎します!


研究テーマ

「研究分野」
生化学、構造生物学、応用生物化学
 
「研究内容」
 分子生物学のセントラルドグマの最終段階、すなわちタンパク質を合成する反応はリボソームと呼ばれるRNAとタンパク質から成る巨大な複合体の上で起きています。リボソームは、mRNAの情報をtRNAで読み取ることでアミノ酸を連結させタンパク質を作る反応を触媒する、いわばタンパク合成の場を提供しています。教科書を読むと、タンパク合成はmRNAの開始コドンから始まり、終止コドンで終わるとされています。しかし、実際の細胞内ではリボソームが終止コドンに到達することができずにmRNAの途中で止まってしまうという問題がしばしば起こります。最近の研究から、大腸菌ではこのような問題に対処する救急車のような分子を2種類用意していることがわかってきました。1つはtmRNA(1つの分子でtRNAとmRNAの両方の機能を持っています!)、もう1つはArfAという小さなタンパク質が関わっています。どうやってこれらの分子は非常事態のリボソームを認識して解決するのか、その仕組みを分子レベルで理解することを目指して研究しています。
 また、リボソームは多くの薬(抗生物質)の標的になっています。タンパク合成の仕組みが理解できると、薬の作用機序や薬剤耐性メカニズムが見えてきます。
 

ArfAが非常事態のリボソームを救出する瞬間の構造


   

略歴

2004年 弘前大学農学生命科学部応用生命工学科 卒業
2006年 弘前大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻 修了
2009年 岩手大学大学院連合農学研究科生物資源科学専攻 修了
2009年 弘前大学特別研究員
2012年 弘前大学農学生命科学部分子生命科学科 助教


業績

  1. López-Alonso JP, Kaminishi T, Kikuchi T, Hirata Y, Iturrioz I, Dhimole N, Schedlbauer A, Hase Y, Goto S, Kurita D, Muto A, Zhou S, Naoe C, Mills DJ, Gil-Carton D, Takemoto C, Himeno H, Fucini P, Connell SR. RsgA couples the maturation state of the 30S ribosomal decoding center to activation of its GTPase pocket. Nucleic Acids Res. (in press)
  2. Ma C*, Kurita D*, Li N, Chen Y, Himeno H, Gao N. Mechanistic insights into the alternative translation termination by ArfA and RF2. Nature, 541, 550-553, 2017 *These authors contributed equally to this work
  3. 姫野俵太、栗田大輔 細菌におけるリボソームレスキュー機構、化学と生物, 日本農芸化学会, 878-884, 2016
  4. Himeno H, Nameki N, Kurita D, Muto A, Abo T. Ribosome rescue systems in bacteria. Biochimie. 114, 102-112, 2015
  5. Kurita D, Chadani Y, Muto A, Abo T, Himeno H. ArfA recognizes the lack of mRNA in the mRNA channel after RF2 binding for ribosome rescue. Nucleic Acids Research. 42, 13339-13352, 2014
  6. Kurita D*, Miller M*, Muto A, Buskirk A, Himeno H. Rejection of tmRNA• SmpB after GTP hydrolysis by EF-Tu on ribosomes stalled on intact mRNA. RNA, 20, 1706-1714, 2014 *These authors contributed equally to this work
  7. Himeno H, Kurita D, Muto A. tmRNA-mediated trans-translation as the major ribosome rescue system in a bacterial cell. Frontiers in Genetics. 5, 66, 2014
  8. Himeno H, Kurita D, Muto A. Mechanism of trans-translation revealed by in vitro studies. Frontiers in Microbiology. 5, 65, 2014
  9. 姫野俵太、栗田大輔、武藤昱 2つの機能を有するtmRNAによる細菌の翻訳停滞解消システム、実験医学、31巻・7号、54-60、2013
  10. Kurita D, Muto A, Himeno H. In vitro trans-translation assays. Methods in Molecular Biology, 905, 311-325, 2012

キーワード :
2017年6月2日 更新

栗田 大輔 Daisuke KURITA

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