教員紹介

写真:前多 隼人 准教授

前多 隼人 まえだ はやと

  • 英語表記 Hayato Maeda
  • 職名 准教授
  • 所属 弘前大学 農学生命科学部 食料資源学科
  • 専門分野 食品栄養化学
  • email hayatosp [at] hirosaki-u.ac.jp
  • 電話 0172-39-3790

※メールアドレスは [at] を @ に変えてください。

メッセージ

~食べ物と健康を科学する~

食品には私たちの健康の維持に役立つ様々な成分が含まれています。これらの成分の優れた機能を見つけ出し、その作用メカニズムを解明する研究をおこなっています。

 mae1 左上:カロテノイドなどの機能性色素成分を含む食品、右上:大間産の海藻「ツルアラメ」、下:果肉が赤いリンゴ「紅の夢」

食品には赤や黄色のカロテノイドやアントシアニンなどの色素成分が含まれています。このような食品成分は抗酸化機能の他、生活習慣病などの病気を予防する作用があることが明らかになってきました。どのような成分が含まれるか、また培養細胞や実験動物を用いて、どのような仕組みで健康の向上に役立っているのか研究を進めています。


研究テーマ

分子栄養学・食品栄養化学・脂質化学

食品の持つ機能としては栄養素を供給する「一次機能」や、おいしさなどの「二次機能」があります。更に最近はヒトの健康維持に関わる様々な生体調節をおこなう「三次機能」が注目されています。このような食品の機能性を明らかにし、食品素材としての利用を目指す研究をしています。

~生活習慣病を予防・改善する食品素材の探索~

生活習慣の変化から肥満となる人々が増えています。肥満は糖尿病、高血圧、高脂血症の原因となります。また、これらの疾患が合併することを「メタボリックシンドローム」と呼び、心疾患などのリスクが高まることが明らかになってきました。このような状態になることを防ぐためにも、肥満を予防することは重要です。

近年、脂肪細胞に働きかけ様々な疾患の予防や治療に関わる作用を示す、食品に含まれる成分が注目されています。本研究ではこのような作用を示す機能性物質を野菜や果実、海産物から探索し、その機能性の評価をおこなっています。また、脂肪細胞の肥大化から起こる疾患のメカニズムについても研究しています。

 mae2 脂肪を蓄え肥大化した脂肪細胞からは、疾患の原因となる様々なアディポサイトカインが分泌されます。
 mae3  マウス由来の脂肪細胞の写真。細胞の中に、赤い色素で染色した丸い脂肪滴が見えます。

~研究中の食品素材や機能性成分~

・青森県大間産海藻「ツルアラメ」

mae4 青森県大間町ではツルアラメが大量増殖し、商業用のマコンブの生育を阻害され問題となっています。ツルアラメにはポリフェノールが多く、また抗肥満、抗糖尿病作用を示す「フコキサンチン」がコンブと同程度含まれていることが明らかになっています。

・果肉まで赤いリンゴ「紅の夢」

mae5 「紅の夢」は弘前大学が開発した新品種のリンゴです。皮だけではなく中身にも赤いアントシアニンが蓄積します。当研究室ではヒトの健康に対する機能性について特に着目して研究しています。

・ごぼうの加工品「黒ごぼう」

mae6 「黒ごぼう」はごぼうの加工品です。柔らかく黒砂糖のような甘味があります。更に加工によりごぼうに含まれる機能性成分が上昇することがわかってきました。

・未利用木材「クロモジ」から抽出した精油

mae7 クロモジはクスノキ科の落葉低木です。森林管理のため多くが間伐し廃棄される未利用木材ですが、さわやかな香りのする精油成分を含んでいます。当研究室ではクロモジから抽出した精油の生理機能性の研究を進めています。

 


略歴

2003年 3月 北海道大学 水産学部卒業

2005年 3月 北海道大学大学院 水産科学研究科 博士前期課程修

2008年 3月 北海道大学大学院 水産科学院 博士後期課程修了

2008年 4月 弘前大学 農学生命科学部 助教

2009年10月   岩手大学大学院連合農学研究科 助教(兼任)

2016年11月 弘前大学 農学生命科学部 准教授

2016年11月 岩手大学大学院連合農学研究科 准教授(兼任)

 


業績

研究論文

1) Maeda H, Kanno S., Kodate M., Hosokawa M., Miyashita K. Fucoxanthinol, metabolite of fucoxanthin, improves obesity-induced inflammation in adipocyte cells. Marine drugs. 13, 4799-4813. (2015).

2) Maeda H, Hosomi R., Koizumi M, Toda Y, Mitsui M, Fukunaga, K. Dietary cod protein decreases triacylglycerol accumulation and fatty acid desaturase indices in the liver of obese type-2 diabetic KK-Ay mice. Journal of Functional Foods. 14, 87-94. (2015).

3) Maeda H. Nutraceutical effects of fucoxanthin for obesity and diabetes therapy: A Review. Journal of Oleo Science. 64,125 -132. (2015).

4) Arayama M, Maeda H, Tanaka K, Takada N, Nehira T, Hashimoto M. Achaetolide-II isolated from Helminthosporium velutinum TS28. Tetrahedron. 71(41):7900-7905. (2015).

5) Nanashima N, Horie K, Tomisawa T, Chiba M, Nakano M, Fujita T, Maeda H, Kitajima M, Takamagi S, Uchiyama D, Watanabe J, Nakamura T, Kato Y. Phytoestrogenic activity of blackcurrant (Ribes nigrum) anthocyanins is mediated through estrogen receptor alpha. Molecular nutrition & food research. 59(12):2419-2431. (2015).

6) Arayama M, Nehira T, Maeda H, Tanaka K, Miyagawa H, Ueno T, Hosokawa S, Hashimoto M. Isolation, ECD assisted structural analyses, biosynthetic discussions, and biological activities of epi-cochlioquinones D and its derivatives. Tetrahedron. 71(29):4788-4794. (2015).

7) Ito A, Maeda H, Tonouchi A, Hashimoto M. Relative and absolute structure of phomolide C. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 79(7):1067-1069. (2015).

8) Honmura Y, Takekawa H, Tanaka K, Maeda H, Nehira T, Hehre W, Hashimoto M. Computation-Assisted Structural Elucidation of Epoxyroussoeone and Epoxyroussoedione Isolated from Roussoella japanensis KT1651. Journal of natural products. 78(7): 1505-1510. (2015).

9) Islam M N, Maeda H, Kawasaki M. Effect of Calcium Concentration in Growth Medium on Oxalate Content and Evaluation of the Role of Guttation in the Regulation of Oxalate in Eddo. Plant Production Science. 18(4): 464-470. (2015).

10) Hirose A , Maeda H, Tonouchi A, Nehira T, Hashimoto M.Neomacrophorin I, II, and III, novel drimenyl cyclohexanes with hydroxylated butanoates from Trichoderma sp. 1212-03. Tetrahedron. 70(7): 1458-1463. (2014).

11) Maeda H, Yamazaki M, Katagata Y. Kuromoji (Lindera umbellata) essential oil inhibits LPS-induced inflammation in RAW 264.7 cells. Bioscience, biotechnology, and biochemistry. 77(3): 482-486. (2013).

12) Maeda H, Saito S, Nakamura N, Maoka T. Paprika pigments attenuate obesity-induced inflammation in 3T3-L1 adipocytes. ISRN Inflammation. 2013:763758. (2013).

13) Maeda H, Hosomi R, Chiba U, Fukunaga K. Chemical composition of salmon ovary outer membrane and its protein increases fecal mucins content in C57BL/6J and type 2 diabetic/obese KK-Ay mice. Foods. 2(3): 415-429. (2013).

14) Maeda H, Yamazaki M, Katagata Y. Kuromoji (Lindera umbellata) essential oil-induced apoptosis and differentiation in human leukemia HL-60 cells. EXPERIMENTAL AND THERAPEUTIC MEDICINE. 3: 49-52. (2012).

15) Maeda H, Abe M, Hosokawa M, Miyashita K, Katagata Y. Neoxanthin in Komatsuna improves lipid metabolism in adipocyte cells. Carotenoid Science. 17:51-52. (2012).

16) Miyashita K, Maeda H, Nishikawa S, Tsukui T, TWidjaja-Adhi M A, Hosokawa M. Fucoxanthin as potential nutraceutical for obesity therapy : A Review. Carotenoid Science. 17:1-7. (2012).

 

総説

1) 前多隼人, 吉仲怜, 福田麻理, 石川春奈, 松本和浩. 果肉まで赤い新品種リンゴ「紅の夢」の健康機能性とその魅力,

New food industry,食品資材研究会, 58巻 9号 1-6 (2016)

2) 前多隼人. 食品の色と健康機能性,オレオサイエンス,日本油化学会, 16巻 4号 192-194 (2016)

3) 前多隼人, 田宇, 福田麻理, 松本和浩. 地域資源からの機能性食品素材の探索, 機能性食品と薬理栄養 9巻 2号 67-72 (2015)

4) 前多隼人. 大学ブランドの食品開発 弘前大学における食の取り組み, 季刊 栄養教諭, 37号 54-59 (2014)

5) 前多隼人. リンゴと健康の話③,りんご生産技術研究会 会報,りんごの道,6巻 17-20 (2014)

6) 前多隼人, 鴨下加奈子, 山谷梨恵, 工藤重光, 古川博志, 佐々木甚一、柏崎進一. ごぼうの新しい加工食品「黒ごぼう」の機能性.

New food industry、食品資材研究会, 56巻 2号 27-33 (2014)

7) 松本和浩, 前多隼人. 大学発!美味しいバイオ 切った瞬間,驚きに包まれるリンゴ‘紅の夢’. 生物工学会誌, 92巻1号 34-35 (2014)

8) 前多隼人. リンゴと健康の話②. りんご生産技術研究会 会報, リンゴの道, 5号 19-22 (2013)

9) 前多隼人. 食品と疾病-フコキサンチン 6. フコキサンチンの抗肥満作用、Functional Food, フジメディカル出版、6巻 4号249-253 (2013)

10) 前多隼人, 阿部美菜子, 伊藤聖子, 片方陽太郎, 加藤陽治. 東京都江戸川区産小松菜の色素成分の生理機能と硝酸塩の安全性の検討,

New food industry, 食品資材研究会, 55巻 1号 33-40 (2013)

11) 前多隼人. リンゴと健康の話①, りんご生産技術研究会 会報、りんごの道, 4号20-23 (2013)

12) 前多隼人, 斉藤修一, 阿部美菜子, 中村望, 片方陽太郎. パプリカ色素による脂質代謝調節作用,

New Food Industry, 食品資材研究会, 54巻 1号 24-30 (2012)

13) 前多隼人. 香りの成分による生活習慣病予防, AROMA RESEARCH, フレグランスジャーナル社, 51巻14-18 (2012)

14) 前多隼人. 海藻由来フコキサンチンの抗肥満作用, オレオサイエンス, 日本油化学会, 12巻 10号 503-508 (2012)

 

著書

1) 前多隼人. 基礎食品分析実験: 第8章色素の分析, 文教出版、 (2013)

2) Maeda H. Anti-obesity and anti-diabetic activities of algae. Herminia Domínguez. eds. : Functional ingredients from algae for foods and nutraceuticals, Woodhead Publishing, 13Chapter 453-472 (2013)

 


研究室・ゼミ

食品の機能性成分の研究にはいろいろな手法を用います。脂肪細胞やマクロファージ、がん細胞を用いた培養細胞実験、動物実験、ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーによる成分の分析実験などたくさんの実験方法を駆使して研究を進めています。一人ひとり異なった研究テーマに取り組み、学会での発表を目標として実験に励んでいます。


キーワード :
2017年1月6日 更新

前多 隼人 Hayato Maeda

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