教員紹介

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姫野 俵太 ひめの ひょうた

  • 英語表記 HYOUTA HIMENO
  • 職名 教授
  • 所属 弘前大学 農学生命科学部 分子生命科学科
  • 専門分野 分子生物学
  • email himeno [at] hirosaki-u.ac.jp
  • 電話 0172-39-3592
  • ホームページ http://hirosaki-rna.org/

※メールアドレスは [at] を @ に変えてください。

メッセージ

細胞内の構造体であるリボソームは数種類のRNAと数十種類のタンパク質からなる分子量250万の超分子複合体であり、そこでは、数十種類のRNAと数十種類のタンパク質が出入りするという複雑な過程を経ることで、「遺伝情報に基づいたタンパク質の合成」が行われています。本研究室では、この巨大かつ複雑きわまりないRNAマシーン上で行われる数々の未知反応を明らかにし、それらの反応を分子・原子のレベルで明らかにしていくことを通して、リボソームの分子機能・分子機構ならびに分子構築の原理を明らかにしていきます。また、細胞における未知のリボソームの機能について明らかにしていきます。

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研究テーマ

tmRNAによるトランストランスレーションの研究

 トランストランスレーションは新しく提唱されたタンパク質合成における品質管理システムです。この反応は、一つのペプチドが2種のmRNAの切り替えにより生じる新しいタイプの翻訳機構であり、tRNAとmRNAのキメラであるtmRNAによって行われます。現在、実に奇妙なこの反応のメカニズムを分子レベルならびに細胞レベルで明らかにしようとしています。

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リボソームの生合成に関する研究

 本研究では、精密な機能を持った巨大RNA-タンパク質複合体がどのようにして構築されていくかについての原理を明らかにしようとしています。

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浸透圧耐性に関わる新規のメカニズム

 我々は、リボソーム生合成因子の欠損あるいは翻訳阻害剤によって細胞が浸透圧耐性を獲得することを明らかにしてきました。この現象のメカニズムを解明していくことを通して、新規のストレス応答機構の全容を明らかにしようとしています。

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略歴

1978-1983 東京大学農学部農芸化学科

       tRNAの塩基修飾に関する研究

 

1983-1985 東京大学大学院農学系研究科(修士課程)

       ミトコンドリアにおける変則的遺伝暗号に関する研究

 

1985-1988 味の素株式会社基礎研究所

       植物の生殖器官分化および二次代謝産物生産に関する研究

 

1988-1993 文部省宇宙科学研究所惑星研究系惑星大気物理学部門助手

       tRNAアイデンティティーに関する研究

       タンパク質合成系の起源に関する研究

 

1993-1997 弘前大学理学部生物学科助教授

       tRNAアイデンティティーに関する研究

       tmRNAによるトランストランスレーションに関する研究

 

1997-2006 弘前大学農学生命科学部応用生命工学科助教授

2006-     弘前大学農学生命科学部分子生命科学科教授

       tmRNAによるトランストランスレーションに関する研究

       リボソームの生合成に関する研究

       リボソームが関与する新規の浸透圧耐性機構に関する研究


業績

Abe, T., Sakaki, K., Fujihara, A., Ujiie, H., Ushida, C., Himeno, H., Sato, T. & Muto, A. (2008) tmRNA-dependent trans-translation is required for sporulation in Bacillus subtilis. Mol. Microbiol. 69 1491-1498.

Kimura, T., Takagi, K., Hirata, Y., Hase, Y., Muto, A. & Himeno, H. (2008) Ribosome-small-subunit-dependent GTPase interacts with the tRNA binding sites on the ribosome. J. Mol. Biol. 381 467-477.

姫野俵太、武藤あきら:「トランストランスレーション」、キーワード:蛋白質の一生(遠藤斗志也、小椋光、永田和宏、森和俊、田口英樹、吉田賢右編)、975、共立出版 (2008)

姫野俵太:「窒素同化とアミノ酸代謝」、ベーシックマスター生化学(大山隆監修、西川一八、清水光弘編)、オーム社、249-265 (2008)

栗田大輔、武藤あきら、姫野俵太:「mRNAを擬態するタンパク質」、化学と生物、46(7)、465-471、学会出版センター(2008)

姫野俵太、武藤あきら:「トランストランスレーション」、蛋白質核酸酵素、53(8)、975、共立出版 (2008)

 

Hase, Y., Yokoyama, S., Muto, A. & Himeno, H. (2009) Removal of a ribosome small subunit-dependent GTPase confers salt-resistance on Escherichia coli cells. RNA 15 1766-1774.

Ujiie, H., Matsutani, T., Tomatsu, H., Fujihara, A., Ushida, C., Miwa, Y., Fujita, Y., Himeno, H. & Muto, A. (2009) Trans-translation is involved in the CcpA-dependent tagging and degradation of TreP in Bacillus subtilis. J. Biochem. 145 59-66.

Himeno, H., Kurita, D. & Muto, A. (2009) Trans-translation by tmRNA and a protein mimicking tRNA and mRNA. In Toma E. Esterhouse & Lado B. Petrinos Eds., Protein Biosynthesis, pp69-107, Nova Science Publishers Inc.

姫野俵太、栗田大輔、武藤あきら:「2つのtRNA/mRNAハイブリッド –トランス・トランスレーション-」、蛋白質核酸酵素増刊、54 (16)、2201-2206、共立出版 (2009)

姫野俵太:医学書院医学大辞典第2版(伊藤正男・井村裕夫・高久史麿編)、医学書院(2009)

渡辺公綱、鈴木勉、姫野俵太:「翻訳」、改訂第3版分子生物学イラストレイテッド(田村隆明、山本雅編)、48-56、羊土社(2009)

 

Himeno, H. (2010) Novel factor rescues ribosomes trapped on non-stop mRNAs. Mol. Microbiol. 78 789-791.

Hokii, Y., Sasano, Y., Sato, M., Sakamoto, H., Sakata, K., Shingai, R., Taneda, A., Oka, S., Himeno, H., Muto, A., Fujiwara, T. & Ushida, C. (2010) A small nucleolar RNA functions in rRNA processing in C. elegans. Nucleic Acids Res. 38 5909-5918.

Kurita, D., Muto, A. & Himeno, H. (2010) Role of the C-terminal tail of SmpB in the early stage of trans-translation. RNA 16 980-990.

姫野俵太、栗田大輔、武藤あきら:「2つのtRNA/mRNAハイブリッド –トランス・トランスレーション-」、mRNAプログラム 多様性と非対称性の獲得戦略 (稲田利文、大野睦人編)、2201-2206、共立出版 (2010)

 

Kurita, D., Muto, A. & Himeno, H. (2011) tRNA/mRNA mimicry by tmRNA and SmpB in trans-translation. J. Nucleic Acids 2011 Article ID 130581, doi:10.4061/2011/130581.

Goto, S., Kato, S., Kimura, T., Muto, A. & Himeno, H. (2011) RsgA releases RbfA from 30S ribosomal subunit during a late stage of ribosome biosynthesis. EMBO J. 30, 104-114.

Himeno, H., Kurita, D. & Muto, A. (2011) Trans-translation by tmRNA and SmpB: a bacterial quality control system of translation. In Kevin V. Urabano Ed., Advances in Genetics Research – Vol. 6, 161-203, (Chapter 3), Nova Science Publishers Inc.

渡辺公綱、姫野俵太:生命化学II 第2版 −遺伝子の働きとその応用−、丸善 (2011).

Kurita, D., Muto, A. & Himeno, H. (2012) In vitro trans-translation assay. Methods Mol. Biol., 905, 311-325.

姫野俵太:「弘前で咲いたRNAの研究」、弘前大学知の散歩道、147-155、弘前大学出版会(2012)

Guo, Q., Goto, S., Chen, Y., Feng, B., Xu, Y., Muto, A., Himeno, H., Deng, H., Lei, J. & Gao, N. (2013) Dissecting the in vivo assembly of the 30S ribosomal subunit reveals the role of RimM and general features of the assembly process. Nucleic Acids Res., 41, 2609-2620.

姫野俵太、栗田大輔、武藤あきら:「2つの機能を有するtmRNAによる細菌の翻訳解消システム」、生命分子を統合するRNAーその秘められた役割と制御機構、実験医学増刊、Vol. 31、No. 7、54-60、羊土社(2013)

 

Goto, S., Muto, A. & Himeno, H. (2013) GTPases involved in bacterial ribosome maturation. J. Biochem., 153, 403-414.

 

Hase, Y., Tarusawa, T., Muto, A. & Himeno, H. (2013) Impairment of ribosome maturation or function confers salt resistance on Escherichia coli cells. PLOS ONE, 8(5), e65747.


研究室・ゼミ

当研究室では「RNA」「翻訳」「リボソーム」をキーワードに研究を行ってきました。そして、これまでに以下のような発見をしました。

・ tRNAとmRNAのキメラ(tmRNA)の発見

・ 2分子のmRNAから1分子のタンパク質を作るシステム(トランストランスレーション)の発見

・ リボソーム小サブユニットで活性化されるGTP加水分解酵素の発見

・ tRNAおよびmRNAを擬態するタンパク質の発見

・ リボソームが関わる新しい細胞の浸透圧耐性の発見

 これらの発見は、いずれも生化学・分子生物学の教科書に新たな1ページを書き加えるものでした。誰もが考えもしなかった新しい発見にたどり着くことが可能であった背景には、一緒に研究した仲間(主に大学院生や博士研究員)の熱意、洞察力、高い研究能力そして努力がありました。彼らはその後、東京大学、千葉大学、理化学研究所などの大学や研究所において一線の研究者として活躍しています。現在、これらの発見をもとに新たな研究が展開しています。


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2014年4月11日 更新

姫野 俵太 HYOUTA HIMENO

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