教員紹介

NO IMAGE

黒尾 正樹 くろお まさき

  • 英語表記 Masaki Kuro-o
  • 職名 教授
  • 所属 弘前大学 農学生命科学部 生物学科
  • 専門分野 分子細胞遺伝学
  • 電話 0172-39-3591

メッセージ

分子生物学的手法による生命現象の解明は,非常に盛んに行われていますが,もう少しマクロな視点からの研究も大切なことを忘れないで頂きたいと思います。

kuroo_1

アホウドリのつがいの求愛ディスプレイ
(伊豆諸島鳥島にて,撮影:長谷川 博 博士)

kuroo_2

ヒメネズミの高頻度反復DNAの存在箇所を示す蛍光 insituハイブリダイゼイション


研究テーマ

分子細胞遺伝学

様々な分類群に属する生物のゲノムの構成を、染色体レベルの解析を主な手法とする細胞遺伝学的見地、およびDNAやRNAレベルの解析を主な手法とする分子遺伝学的見地から解析している。
  染色体レベルの解析では、ギムザ染色による核型分析をはじめ、C-バンド法、G-バンド法、R-バンド法、ブロモデオキシウリジンの取り込みによるDNA複製バンド法、銀染色法などの様々な染色体分染法を用いたり、染色体に対する蛍光insituハイブリダイゼイション法などの手法を用いることによって、比較的マクロな視点で生物のゲノムの構成における特徴を解析している。
  DNAやRNAレベルの解析では、高頻度反復DNA配列をプローブとしたサザン・ブロット・ハイブリダイゼイション、RNAをプローブとしたノーザン・ブロット・ハイブリダイゼイションなどの手法で、目的とするDNAや遺伝子の存在箇所を主にDNA断片上で決定する解析を行っている。さらに、高頻度反復DNA配列および遺伝子領域のDNAのクローニング、塩基配列の決定などを主な手法として、同種の異なる個体群間や、近縁でありながらも異なる種間で、高頻度反復DNA配列や遺伝子領域のDNA配列にどの様な変異が生じているかを解析して、生物の系統類縁関係の推定を行っている。

 kuroo_3

アジア大陸に生息するチョウセンサンショウウオのR-バンドによる核型

 kuroo_4

アジア大陸及び日本に生息するサンショウウオの核ゲノムDNAの電気泳動及びオートラジオグラフ

1.両生類及び爬虫類の分化に関する分子細胞遺伝学的研究

 主にアジアからヨーロッパにかけて分布する有尾目と、日本に分布する爬虫類を対象として,それらの系統関係や種分化の過程の推定を試みている。染色体レベルでの分析は未だ充分とは言えないが,得られる情報に限界があるため,核及びミトコンドリア・ゲノムDNAの塩基配列の分析結果に染色体分析や形態分析の結果を組み合わせて、総合的な系統類縁関係の解析を行っている。

2.アホウドリの遺伝的多様性に関する分子遺伝学的研究

 国の特別天然記念物で国際保護鳥でもあるアホウドリの遺伝的多様性の程度を,ミトコンドリアDNAの特定の領域の塩基配列を分析することによって解明する試みを行っている。この種は著しく個体数が減少したので,遺伝的多様性や環境変化への適応力の低下が懸念されているが、本研究で、遺伝的多様性が非常に高いことが判明している。

3.鳥類の性判定に関する分子遺伝学的研究

 性染色体上にあるCHD遺伝子の解析によって、鳥類の性判定を分子レベルで行う研究を発展させている。現在用いられている手法の問題点を解決する新しい方法の確立を目指している。

 kuroo_5

中国に生息するサンショウウオPseudohynobius flavomaculatusの成体

 kuroo_6

東ヨーロッパから東アジアに生息するサンショウウオ4属5種の系統類縁関係


略歴

1984年

東邦大学理学部生物学科卒業

1990年

東邦大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学

1991年

日本学術振興会特別研究員

1994年

弘前大学理学部助手

1997年

弘前大学農学生命科学部助教授

2003年

弘前大学農学生命科学部教授


業績

主要論文
○ Germ line-restricted, highly repeated DNA sequences and their chromosomal localization in a Japanese hagfish (Eptatretusokinoseanus). (Chromosoma, 102: 163-173, 1993)


○ Cytogenetic analysis of the tamaraw (Bubalusmindorensis): a comparison of R-banded karyotype and chromosomal distribution of centromeric satellite DNAs, telomeric sequence, and 18S-28S rRNA genes with domestic water buffaloes. (J. Hered., 91: 117-121, 2000)


○ Cytogenetic studies of Hynobiidae (Urodela). XVI. Comparative C-banded karyotype analysis of Pseudohynobiusflavomaculatus (Fei et Ye), Ranodon shihi (Liu) and Batrachuperuspinchonii (David). (Chrom. Res., 8: 265-272, 2000)


○ Molecular cytogenetic study of the highly repetitive DNA in Apodemus argenteus, with comments on phylogenetic relationships in the genus Apodemus. (Cytogenet. Cell Genet., 92: 254-263, 2001)


○ Cytogenetic studies of Hynobiidae (Urodela). XVIII. A ZZ/ZW sex-determining mechanism in a hynobiid salamander species, Hynobiustokyoensis Tago. (Cytogenet. Genome Res., 99: 194-199, 2002).


キーワード :
2014年4月12日 更新

黒尾 正樹 Masaki Kuro-o

ページの先頭へ戻る